爪上の土(真言宗豊山派佐渡宗務支所テレホン法話 平成26年7月)

本日は、お釈迦様の「爪上の土」というお話をさせていただきます。爪上の土のそうという字は爪という漢字ですので爪の上の土ということになります。
ある時、お釈迦さまが弟子の阿難さんを伴ってインド各地を回っておられた時、砂漠のような広々とした平原にさしかかりました。そこでお釈迦さまが足を止めて腰をかがめ土を一つまみ取られてから指を広げて土を落とし「この見渡す限りの広い大地の土と私の指の爪の上についている土とどちらが多いと思うか」と阿難さんに尋ねられました。
阿難さんは「もちろん、大地の土の方が多いです。」と答えました。
するとお釈迦様は「そのとおり、この世のなかには毎日見渡す限りのこの大地の土の数ほどの命が生まれてくるが、その中で人間となる命は今私の指の爪の上についている土の数ほどに少ないんだよ」と阿難さんを諭されました。
三帰依文というお経に「人身受け難し、いますでに受く」という文言がありますが、お釈迦様は、人間に生まれてくることがいかに難しくてまた有難いことかということを阿難さんに知ってもらい、一日一日を大切にして修業に励むよう、心がけることを教えるためにお話しされたのだと思われます。
仏教の基本的な教えに縁起説というものがありますが、この世のすべてのものは縁によって生じるという考え方であり、今日一人の人間としてこの世に存在することができるのは、親、伴侶、兄弟、先祖、先生、友人、家畜、故郷、社会、自然環境、仏教の教え等々数えきれない縁によるものであり、そのすべてに感謝したいと思います。
人間としてこの世に生まれてきたことを喜び、私と私以外の人達を幸せにするために一生懸命努力して、悔いのない人生を送りたいと切に願います。


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