子供電話相談室について(2020年2月テレフォン法話)

 今月は、子供電話相談室のお話をします。冬休みのせいでしょうか車の運転をしながらラジオを聞いていましたら「子供電話相談室」をやっていました。その日は心と体の特集ということでしたが、3・4年生くらいの女の子の声が聞こえてきました。「私はどうして私なんでしょうか」と質問しました。
 回答者の先生は、「一人一人体つきやできることとできないことや性格が違うけど、努力してできないことができるようになったり、体が大きくなっても私が私であることは変わらないんだよ」と答えておられました。
 ハンドルを握りながら私ならどう答えるか考えてみました。

「まず初めに言いたいことは、私つまり貴女はこの広い宇宙でたった一人しかいない大切な人間だということです。貴女と同じ人間私は前にも今もこれからもいないんです。それと大切な人間ということが大事なんです。人間は他の生き物、動物や鳥や魚なんかと違って一人一人が違った考えをもって、自分のやりたいことを自由に選ぶことができて、他の人や動物に優しくしてあげることができるんだ。このように一人一人違うから私は宇宙でたった一人の私なんだ。
じゃあどうして宇宙でたった一人の私が生まれてきたかということなんだけどちょっと説明が難しくなるけど、大きくなったらああそういうことかと気が付くからとりあえず聞いてね。
人間は生まれてくる前お母さんのお腹の中でお母さんやお父さん、おじいさんやおばあさん、そのまたおじいさんやおばあさん、そのまたおじいさんやおばあさんと数えきれないくらいのそのまたおじいさやおばあさんの遺伝子があかちゃんの体に入ってくるんだ。遺伝子というのは体つきとか性格とかいろんなあかちゃんの特徴を決めるものなんだ。例えば生まれたあかちゃんが少し大きくなって歌が上手に歌える子になったとするとだいぶ前のおばあさんに歌のうまい人がいたらもしかしてそのおばあさんの遺伝子が入っているのかもしれない。兄弟でも体つきや性格、できる勉強が違うのはどの人の遺伝子を多くもらったかによって違うんだ。貴女のように私がどうして私なのかって自分のことを深く考えることができるのは、お父さんかお母さん、おじいさんかおばあさんにそういう能力を持った人がいるのかもしれない。これからも一生懸命勉強して、先生やお父さんお母さん、お友達といった貴女の周りにいる人から疑問に思ったことをいろいろ教えてもらって、大きく成長してください。」

 こんな長い話をしたんでは回答者はすぐ首になってしまうと思わず笑ってしまいましたが、この説明のもとになっているのはお釈迦様が生まれてすぐ7歩いて空と地面を指さし「天上天下唯我独尊」と言った言葉からきています。この意味はこの宇宙で我一人尊い存在であるということですが、澤木興道老師はある講話の会場で「お釈迦様だけが天上天下唯我独尊ではない、人間は誰でも天上天下唯我独尊じゃあ、人並みにとか皆と同じという生き方は駄目だ、自分ににしかできない生き方をしろ」と言われました。自分らしく生きるのが一番ということでしょうか。それにしてもすごい質問をする子供がいるもんですね。
一本取られたという感じです。


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