今月は、「偉人の言葉」について考えます。
昨年12月8日に佐渡病院に入院し、現在も歩く練習リハビリのため入院中です。先日一時帰宅した折「人生の指針が分かる座右の銘1300」の文庫本を持ち帰りました。この本は世界の偉人の言葉が数多く掲載されています。いくつかを紹介します。
最初は、目が見えず、耳が聞こえず、声が出せない3重苦のアメリカの女性ヘレン・ケラーの「人生の目的とは何か、などと堅苦しく考える必要はない。楽しく生きて、この世を去るときに生まれてきてよかった。幸福な人生だったと振り返ることができたら、その人は人生を楽天主義者として過ごせた成功者だといえる。」の言葉です。2歳のとき高熱にかかり、視力・聴力・言葉を失ったヘレン・ケラーですが、両親が依頼した家庭教師サリバン先生が彼女の手の平に文字を書いて言葉を教え、先生の手の平に文字を書いて会話をします。日常会話に困らなくなった彼女は、やがて不幸な人たちを励ますためサリバン先生と一緒に世界中を飛び回ります。戦後日本にも3度訪れていますが、その時の新聞に載っている彼女の写真は笑顔でした。ヘレン・ケラーは、外から見ると想像できないほど苦しい一生を過ごしたように見えますが、本当は一度だけの人生を楽しく生きた楽天主義者だったのです。
つぎに、詩人相田みつをさんの「あなたがそこに ただいるだけで その場の空気が あかるくなる あなたがそこに ただいるだけで みんなのこころが やすらぐ そんなあなたに わたしもなりたい」の言葉です。
私は、現在佐渡病院に入院していますが、お世話をしてくれる看護師さん、介護士さんは男女を問わずこの相田みつをさんの言葉に表されている人たちです。病床では痛かったり、苦しかったり様々な不安に駆られますが、看護師さんや介護士さんの優しい眼差し、明るい声掛けのおかげでその場の空気が明るくなり、こころがやすらぎます。皆さんの表情と声に本堂の観音様の慈悲の心を感じています。
最後に、この本とは別に感動した言葉を紹介します。それは、最後の越後瞽女として知られ人間国宝にも選ばれた小林ハルさんの言葉です。越後瞽女は、目の見えない女性たちが数人のグループで瞽女唄を唄い、県内や福島・山形の隣県を周る古くからの旅回り芸人でした。ハルさんは、県内三条市に生まれ生後100日で失明し、5歳で瞽女の親方に弟子入り、9歳から仲間とともに旅回りをして昭和48年に福祉施設に入るまで瞽女として一生を送りました。小林ハルさんの生涯を記す本を読んだことがありますが、著者のインタビューに答えて「苦しいことはいっぺいあったが、中でも旅回りのとき瞽女は皆目が見えないので手引きの人を頼むが、そのなかにはいい人ばかりでなく悪い人もいて、目が見えない女ばかりと知って乱暴をされたり金品を取られたりした。そんなときは、悪い人に会ったら修行、いい人に会ったら祭りと考えるようにした。」と語っていました。普通はそんなひどい目に遭ったら、相手を恨み自己の不幸を嘆きますが、それでは不幸な人生を背負って一生過ごすことになります。それを悪い人に会ったら修行と考えて乗り越え、いい人に会ったら祭りと思って明るく過ごされたのです。私も何か嫌なことがあったとき、小林ハルさんの言葉を思い出してます。